国立病院機構長崎医療センター整形外科/2009-10-19

  • 山口 貴之
  • 鹿児島大学 医学部 出身
  • 2001年 入局

こんにちは、平成13年入局の山口 貴之です。
現在、長崎県央地区の、とある準公務員扱いの大きな病院に勤めています。早いもので、整形外科医師となってから9年目となりました。幸いにこれまでの所、大きな事故もなく、医者を続けています。
私の勤務する病院は、全国に18箇所(私の娘の夏休み自由研究の結果より)あるドクターヘリの常駐する病院のうちの一つです。救急救命センターも充実しており、先日は皇太子殿下の御行幸を頂いた大変に由緒正しい病院です。ちなみに私は予定手術の真っ最中で、いつもと変わらない生活を送っていましたが・・・。
整形外科医の日常生活は多忙です。県央地区の基幹病院の一つとして、大学病院と同じ3次救急を担う病院ですが、外来当直は院長の方針もあり、1次救急(切り傷、打撲など)が多数来院するかと思えば、それこそ生命に関わるような血管損傷を伴う骨盤骨折、内蔵損傷を合併するような多発外傷例、麻痺を伴う脊椎骨折まで来院します。時間外勤務も多いですが、それに見合うだけの給料をもらっているかといえば、残念ながら答えはNoです。重傷者が多いので、元気になっていく患者さんばかりではないですが、ありがとうございました、という言葉を糧にして奮闘している毎日です。
前任地が脊椎外科で有名な病院だったこともあり、外傷(これは整形外科の基本と思います)と脊椎外科を中心に診療に当たっています。先ほども述べましたが、3次救急病院であり高所からの転落外傷など、重度の脊椎骨折を伴う症例も多く、教科書を思い出しながら、あるいは先輩方の意見を聞きながら最良の治療法を模索している毎日です。特に、麻痺が重度で恐らくは一生車椅子の生活だろうと思っていた人が手術、転院しての長期のリハビリの後に松葉杖で歩いて外来に来てくれた瞬間は何物にも変えがたい喜びを感じています。もちろん、通常の手術で大部分を占めるのは椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症といった教科書によく載っている疾患です。これらに対しては手術用顕微鏡を駆使して(形成外科部長の厚意で、上等な顕微鏡を借りています)最小侵襲で最大効果が得られるような手術を行っています。
整形外科医として働いて思うことは、世間の整形外科に対するニーズは非常に大きいと言うことです。現在の病院には整形外科専門医ばかり6人が勤務していますが、まだまだマンパワーは不足しています。手術が得意でないと思えば、骨代謝疾患や、リハビリテーションという選択肢もあります。iPS細胞の研究で有名な山中先生も実はもともとは整形外科医でした。少なくとも、これまで勤務していて整形外科医が余って困っている、といった話は聞いたことがありません。足りなくて困っている話ばかりです。
駄文ですが、最後まで読んでくださった、特にこれから医師になる学生さんや研修医の先生たちに伝えたいことがあります。整形外科はかなり後輩思いの人たちであふれています。のりは体育会系ですが、大人しくても、人見知りをする人でも大丈夫。1年もすればいつの間にか同類になってしまっった自分に気づくでしょう(いいことなのかはわかりませんが)。あと、非常に男臭そうとか悩む必要もありません。力もあまり必要じゃありません。道具を使えばいいのですから。
興味のある方は近くの整形外科医に一声かけてください。人生悪いようにはならないです(と思っています)。